こんにちは。
皆さんは対話型AIチャットサービスを利用したことがありますか?
まるで人間と会話しているような、違和感のないスムーズな会話ができたり、文章を考えてくれたり、疑問について回答を提示してくれたりと、便利さに驚くことも多々あります。
「ここまで便利なら、仕事や業務で使えたりしないだろうか?」と思うこともありますよね。
そこで今回は、対話型AIチャットサービスを利用してFAX業務を効率化できないか試してみました。
今回は3つの対話型AIチャットサービスを利用します。
- ChatGPT……OpenAI社が提供しているサービス。Microsoft社も投資している、革新的なサービスとして、世界で一躍有名になりました。対話型AIチャットサービスときいて一番最初に思い浮かべるサービスかと思います。
- Bard……Google社が開発・提供しているサービス。現在提供されているのは試験運用版。
- YouChat……You.comという検索サービス。特徴として、検索履歴や位置情報等のユーザー情報の収集を行わない検索サービスです。単なるWeb検索結果の一覧の表示だけでなく、質問に対して回答を行う対話型AIチャットサービス。
前提条件として、指示は同じ内容。指示を出す際は、前述の指示内容はクリアした状態で比較します。※先に質問した会話の内容を考慮して、サービスが返答内容が変わるおそれがある為。
その1.送り状の作成をチャットサービスに依頼する
まず依頼する内容は「送り状の作成」です。指示として、2パターン用意しました。
一つは抽象的な依頼内容。
「FAXの送付状を作ってください」
もう一つは、具体的な情報を付与した依頼内容になります。
「請求書のFAXの送付状を作ってください。差出人は株式会社トランザクトの菊池です。
宛先はABC商事株式会社の田中川様 日付は2023年6月30日です」
■ChatGPTの場合
まず、そもそも文章作成の機能を持っていないツールだとはっきり明言されてしまいました。
なので、2パターン目の具体的な指示を出しても、ちぐはぐな文章しか返ってきません。文章作成の依頼をChatGPTにするのは、あまり適していないことが分かりました。
改めて文章作成の機能を持っている、別の対話型AIチャットサービスを利用してみます。
■YouChatの場合
「YouChat」は、You.comという検索エンジンの一部として提供されています。You.comのトップページにあるキーワード入力欄にキーワードを入力すると、そのキーワードに関連する検索結果とともに、YouChatによる回答が表示されます。さらに、回答欄からそのまま会話を続けることも可能です。(ChatGPTやBardと違い、サービス登録が不要なところも気軽に使えるポイントです)
「FAXの送付状を作ってください」と指示した場合は、Wordで送付状を作ると良いとアドバイスと具体的な方法について教えてくれました。
続いて、具体的な指示を添えてみると、今度は送付状として分かりやすいレイアウトと挨拶文。情報が抜けている部分はオレンジでハイライトにしてくれて、視覚的にも分かりやすい状態で例を提示してくれました。
■Bardの場合
最後はBardで比較してみます。
完結で分かりやすい例文を出してくれました。
続いて、具体的な指示を添えてみると、宛先等の情報が追加されました。
添えている文章の内容も先ほどと比べて若干異なっています。想定していた内容に一番近いです。
その2.課題の解決方法の提示・提案をチャットサービスに依頼する
今度は文章作成ではなく、抱えている課題についての解決方法を提示してくれるかどうか、試してみます。今回は「FAXの仕分け業務の提示/提案」を依頼してみます。
下記の内容で問いかけてみました。
「FAXの仕分け業務に時間も人手もかかっていて、困っている。解決方法を提案してください」
■ChatGPTの場合
シンプルに、FAXを辞めて他の手段を利用しなさいと進めてくれます。
■Bardの場合
具体的な方法をいくつか提示してくれます。
■YouChatの場合
YouChatでは解決方法と、その内容について具体的に提示してくれました。
解決方法の提示、という点についてはYouChatが現状の課題に沿った解決案を
具体的に提示してくれたと感じました。
FAX仕分けの解決方法について
YouChatが提示してくれた解決方法の「FAXtoEmailサービスの利用」と「クラウドFaxサービスの利用」についてご紹介させていただきます(OCR連携については、また別の機会に)。
TransFaxはメール接続の利用が可能です。
受信の場合は、専用の受信番号を提供致します(0120や0800番号は番号移行可能)。
専用の受信番号宛にFAXを送信いただくと、データに変化し受信する毎にFAXをメールに添付し、お届けする仕組みです。メール本文には受信した枚数や日時の情報が記載されています。
受信の場合は、件名に送信元の情報を付与することもできますので
単なるメール受信だけでなく、件名の情報をキーに他のツールやソリューションと組み合わせることで仕分けを行うことができます。
紙からデータに変わり、かつメールになったことで他のシステムやソリューションとの連携もし易くなりますので、仕分けだけでなくデータ投入等の他の課題にも効果が見込めます。
また、メール接続でFAX送信を利用することができます。
送信の場合は、送信元メールアドレス(FROMアドレス)をクラウド側に登録することでFAX送信が可能になります。
FAX送信の場合は仕分けとは課題が異なりますが、都度紙やインクの補充をする必要がありませんし、自席のPCから簡単にFAX送信を行うことができますので効率的に時間を使うことができるようになりますね。
もう一つの提案、クラウドFAXサービスという点については、メール利用だけでなく
ファイル転送のFTPSやSFTP。APIによる利用も可能です。
APIを使うことで、他のシステムとの連携もし易くなります。FTPSやSFTPを使うことで、バッチ送信にも
対話型AIチャットサービスを使って、FAX業務の効率化ができないか試してみましたが以下の発見がありました。
・サービスによって、得手不得手があること。
・文章作成のスキルがあるチャットサービスでは、ほぼ想定通りの例文が作れること。
・サービスによって、具体的な解決方法の提示(具体例の有無等)に差があること。
対話型AIチャットサービスを使う際は、自分の目的に合わせて選択するのが重要ですね。
それはクラウドFAXサービスにも言えることです。
業務内容や規模によって、ピッタリ合うものもあれば、少しズレているなと感じる場合もあります。
是非、一度トランザクトにご相談してみてください。