物流と海運業界におけるFAXサービスの活用とDX推進

業界

物流や海運業界は、グローバルなビジネスの拡大とともに、急速な変化を遂げています。しかし、その一方で、FAX業務のような伝統的なコミュニケーション手段が未だに広く使われているのも事実です。本記事では、物流・海運業務におけるFAXの必要性と、今後のデジタルトランスフォーメーションの促進について考察します。 

物流と海運業界におけるFAXの現状

物流業界では、注文書や納品書、請求書などの文書をFAXで送受信することが一般的です。特に、国際物流を扱う際には、各国の法規制や商慣習により、書面でのやり取りが求められることが多く、FAXが重宝されています。また海運業界では、船舶燃料の受発注をクラウドで一元管理するシステムの開発が進められており、FAXを含む紙の印刷が主流だった受発注業務がデジタル化されつつあります。

FAX業務が根強く残る理由

1.法的証拠力 – FAXには原本と同等の法的証拠力があり、契約書や重要書類の送受信において信頼性が高いとされています。

2.セキュリティ – 電子メールに比べて、FAXは外部からの不正アクセスのリスクが低いとされています。

3.利便性 – FAXは、電話回線を使用するため、インターネット環境が整っていない地域でも利用が可能です。

4.互換性 – 既存のビジネスプロセスやシステムとの互換性を保ちつつ、新しい技術を導入することは、コストや時間がかかるため、FAXが使われ続けています。

FAXサービス活用とデジタル化への挑戦

物流業界では、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)が積極的に推進されています。国土交通省は、「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」において、物流DXを通じてオペレーション改善や働き方改革を実現し、物流産業のビジネスモデルそのものを革新することを目指しています。

実際に物流業界ではデジタル化の動きは進んでおり、電子データ交換(EDI)やクラウドサービスの導入が進められています。しかし、全ての企業が同時にシステムを更新するわけではなく、また、小規模な事業者ではコストの問題からデジタル化が進まないケースもあります。

物流業界で弊社FAXサービス活用の一例として、某食品運輸会社のケースがあります。この企業は、配車を担当する際に、電話で案件の打診を行った後、配車を実施し、受注はFAXで行っていました。また、電話での確認後、内容を確認するためにFAXによる返信を行っていたそうです。深夜配送や待機などの変則的な案件も多く引き受けており、見積書のやり取りも増えていくため、伝達ミスを防ぐためにFAXが必須だったと述べています。しかし、FAXには書面を作成し、送信する手間がかかり、修正があればこれを繰り返す必要があったため、業務の効率化を図るためにFAXサービスと輸送業務支援ソリューションを導入し、受注業務の手間を大幅に軽減されたそうです。この事例は、物流業界におけるFAXの利用が依然として重要である一方で、デジタル化への移行が進んでいることを示しています。

 物流・海運業務のDX化でFAXサービスを選択する理由とは?

DX化は、物流・海運業界においても避けられない流れとなっており、ブロックチェーン技術の導入やAIによる自動化など、新しい技術が物流の効率化を促進しています。FAX業務のデジタル化も進み、徐々にペーパーレス化が進むことが予想されます。

物流業界でDX化を進める上でFAXサービスを選択する際にFAX機、FAXサーバと比較し、そのメリットを挙げてゆきます。

1つ目は「ロケーションフリーな業務環境」です。オフィス内の複合機FAXは転送機能もあり非常に多機能であるといえますが、コロナ渦の影響でオフィス面積の縮小化が進み、事務所や拠点統合のケースが増加している為、複合機の台数は減少傾向にあります。社員のテレワーク時に、ビル内の計画停電、ましてや災害時のBCP対策を考慮すると複合機FAXは最適な選択ではないと言えます。また多くの企業において基幹システム自体のクラウド環境移行が進んでいる現在、FAXサーバはクラウド環境での運用が困難となり、こちら選択から除外されてしまいます。

企業内のバックオフィス業務でテレワークが浸透している今、「安全にどこでも業務が行える環境の確保」はFAXサービスの選択により可能となり、今後の働き方の変化にも対応できます。

2つ目は「ピーク時を想定した回線リソースのキャパシティ」です。オフィス内の複合機FAXは多くの回線は搭載できません。その為に繁忙時期やピーク時間帯には話中で注文を受けられないという状況が起こり得ます。

その点、FAXサーバは大量の回線を保有できますがピークを想定した回線配備に高額な維持コストが発生します。FAXサービスは1回線の契約で大量の同時着信が可能となり、1時間以内に1万件のFAX送信処理にも対応します。FAX受注業務において、十分な回線リソースが確保できないことは、ビジネスの機会損失に繋がるので非常に重要なポイントです。

3つ目は「他サービス連携などの拡張性」です。受注業務のペーパーレス化を進める上で、文書管理、そしてAI-OCRとの連携は必要不可欠となっています。その際に重要視されるのが、文字の読み取り精度となります。OCRエンジンに精度が高くとも、一度複合機で紙を出力後にスキャンした電子データは画像劣化が起こります。FAXサービスは一度紙に出さずPDFに変換されるために画像劣化を防ぎ、AI-OCRの読み取り精度が大幅に向上します。

まとめ

物流・海運業界におけるFAXの使用は、法的な信頼性、セキュリティ、利便性、そして既存システムとの互換性という点で、今もなお重要な役割を果たしています。しかし、デジタルトランスフォーメーションの波は確実に押し寄せており、物流・海運業界でもこの変化に適応していく必要があります。FAXの役割は徐々に変化していくかもしれませんが、現段階ではその存在感を維持している状況です。

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