FAXサービスとISDN2024年終了の関係性とは

NTT東日本・西日本よりかねてから発表されておりましたとおり、2024年1月より両社の固定電話（加入電話・INSネット）の局内設備が、従来の通信網である公衆交換電話網（PTSN）からIP網に切り替わります。
それにより、通話料金が全国一律の体系に変更される、従来の割引サービスがなくなる、また複数のサービスが利用できなくなるなどの変更が発表されています。

ご家庭などで固定電話を利用している場合、利用者として電話機の交換などの対応は必要なく、音声通話の利用には影響ないと考えてOKです。しかし、主に企業が使われている一部サービスでは影響が想定されています。弊社に対してもご契約の企業から『FAX送信及びFAX受信サービスには影響ないのか？』といったお問い合わせをいただいております。

今回は2024年1月以降、本件に関連してFAX業務に関して懸念されることやその対応などについて考えてまいります。

クラウドFAX送信サービスの特長

TransFaxは、企業の基幹業務に特化したクラウド型のインターネットFAXサービスです。導入コスト・運用コストを抑え、さらに運用が手離れすることにより見えないコストも軽減されます。帳票ソフトや基幹システムと連携させることで、⼤量の帳票データを効率よくFAX送信することが可能です。

ISDN2024年問題とは？

『ISDN2024年問題』をいうワードを目にされたことはないでしょうか？

INSネット（ISDN）は1つの電話番号の契約で2回線分が同時接続できることから、多くのご家庭や会社で電話とFAXの回線を分けて接続したり、電話とインターネットを分けるなど活用されてまいりました。
様々な影響があると考えられ『ISDN2024年問題』と称されるのは、INSネットの『ディジタル通信モード』のサービス終了です。これによりISDN回線を使用した電話やFAX、インターネットの接続ができなくなります。

INSネット（ISDN）には『ディジタル通信モード』と『通話モード』の2つのモードがあり、『通話モード』は従来通り利用可能です。

ディジタル通信モード終了の影響

『ディジタル通信モード』を利用した用途として、NTT東日本より以下の利用例が提示されています。

金融機関のEB（エレクトロニックバンキング）/ FB（ファームバンキング）
専用ソフトをインストールしたパソコンやホストコンピューターを利用して金融機関に接続し、給与振り込みなどを行うもの。（※インターネットバンキングとは異なります）
EDI（電子商取引）
パソコンなどを利用して、メーカー/卸/小売り間での商品の受発注を行っている。
CCT（信用照会端末）
クレジットカードでのお支払い時に、カードの信用照会をするための機器を使用している。
レセプトオンライン請求
保険診療の診療報酬などを、オンラインで審査支払機関や健康保険事業者などに請求している。
G4規格FAX
事業所で高精細の複合機やFAXを利用している。もしくは店舗に機器を設置しFAXサービスをお客様に提供している。
事業者の拠点間ネットワーク
本社と支社間通信のバックアップに利用している。

上記の中で最も大きな影響が懸念されるのは、上記2のEDI（電子商取引）です。ご利用状況によっては大幅なシステム変更を伴う場合がありますので、早めの対応が求められます。
尚、今回の『ディジタル通信モード』のサービス終了に合わせて、2027年頃までを目途に「切替後のINSネット上のデータ通信（補完策）」も提供されています。
ただし、補完策では従来の『ディジタル通信モード』より伝送遅延が生じ処理時間が増大するなど、利用する機器によっては通信に影響が発生する旨の注意が必要です。
参考：　https://web116.jp/2024ikou/business.html

G4規格FAXの終了

また『ディジタル通信モード』終了の影響がFAX業務に直結するものは、上記4のG4規格FAXです。
これは国際的なFAXの画像データ伝送方法（プロトコル）についての標準規格で、現在使われているのは『G3』『スーパーG3』『G4』の3つの規格です。

G3とスーパーG3については『通話モード』を使用しますので、2024年以降も従来どおり使用することが可能です。
しかしG4については、ISDN『ディジタル通信モード』を使用することが前提で作られている規格ですので2024年以降は使用できなくなります。
一般の複合機などのFAX機器はG3とスーパーG3が主となっていますので心配は不要ですが、G4規格でのみ使用できるFAX機器をご利用になっている場合は、別の機器やFAXサービスへの移行が必須となります。