今回は「ワイドスターⅡ」とトランザクトのFAX受信サービスが連携したお話をさせていただきます。正式な名称は「TransActファックス受信サービス(ワイドスターⅡ対応)」になります。
ワイドスターⅡ?
もしかしますと、普段ではあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に説明させていただきますので、お気軽に最後まで読んでいただければ幸いです。
ワイドスターⅡとは
株式会社NTTドコモ様がご提供しています衛星電話サービスです。
そもそも衛星電話とは?
衛星電話とは通信用人工衛星を直接経由して音声通話やデータ通信を行う電話です。
衛星電話の種類にワイドスターⅡ、インマルサット、イリジウム、スラーヤなどがあります。
その中でトランザクトはNTTドコモ様が提供するワイドスターⅡとFAXサービスの連携をさせていただいております。
ワイドスターⅡはどのようなところで使われている?
2011年の東日本大震災の際は携帯電話の基地局が津波により倒壊し、携帯電話が使えない状況もありました。衛星電話は地震、津波、台風などの非常災害時のバックアップ回線として、省庁、自治体、病院などで利用されています。
また、山間部や離島、海上など基地局の設置が難しいところ、通信が難しいところなどで利用されています。トランザクトのFAXサービスでは主に商船、タンカー、漁船、フェリー、海上土木関係などの船舶で利用されるお客様が多いです。
また、福島県、長野県、群馬県などの山小屋のお客様も多いです。携帯電話の電波が届かないようなところで、活躍しています。
ワイドスターⅡは日本全土および日本沿岸約200海里(約370km)の海上で、音声通話とデータ通信を提供するサービスでございます。ワイドスターⅡからは、通常の電話と同じように、固定電話、衛星電話、携帯電話に電話をかけることができます。
ワイドスターⅡでは音声通信のみでは無く、FAXサービスも提供しております。そのFAXサービスの受信部分にトランザクトが連携しております。
FAXサービスはどのような用途で利用されている?
船舶では、気象図、入港証、積荷表などの利用が多いです。某フェリーでは船内売店の在庫表、発注書などにも利用されているそうです。
山小屋では受付表、予約表などに利用されています。
また、災害時に備えた災害連絡や安否確認などのご利用も多いです。
FAXを受信する地域が大規模災害に見舞われた際、一般公衆網の中継基地局が使用不能になっても、衛星を使用しているため影響を受けにくく、サービスの継続利用が可能です。
FAXサービスのしくみ_トランザクトワイドスターⅡ対応
お申込みに関しましては、お客様より申込書にて申請していただき、トランザクトより申請していただいたワイドスターⅡの電話番号に紐づく専用のFAX受信番号(03-XXXX-XXXX)をご提供致します。
FAXを送信する側はそのご提供するFAX受信番号宛にFAX送信するのみで、特別な設定などは必要ございません。
FAXを受信する側(ご契約者様)は、ワイドスターⅡ端末およびFAXアダプタを利用することで、普段お使いのFAX機で受信可能です。
FAX通信の流れは下記になります。
①一般FAX機にて送信
②トランザクトネットワーク(トランザクト)
③FAXゲートウェイサービス(NTTドコモ)
④衛星基地局(NTTドコモ)
⑤通信用人工衛星(NTTドコモ)
⑥ワイドスターⅡ端末&FAXアダプタ(NTTドコモ)
⑦一般FAX機器にて受信
FAX受信番号(03-XXXX-XXXX)に紐づいているメールアドレスがメール形式でトランザクトのサーバーを経由し、次にドコモ様の提供する「FAXゲートウェイサービス」⇒「衛星基地局」⇒「通信用人工衛星」⇒「ワイドスターⅡ端末&FAXアダプタ」⇒「受信側一般FAX機器」という流れでFAXが届きます。
②が弊社トランザクトの管轄で③~⑥まではドコモ様の管轄になります。
FAXサービスの特徴_トランザクトワイドスターⅡ対応
・全ての通信キャリアからFAX受信可能
電気通信サービスを提供しているNTT、KDDI、ソフトバンクなどから受信可能でございます。
・IP電話や日本国外からのFAX受信可能
インターネット回線を用いたIP(Internet Protocol)電話からもFAX受信が可能です。
IP電話(ひかり電話)が利用可能という事で、トランザクトを選んでいただけるお客様も多くいらっしゃいます。
また、ワイドスターⅡ圏内にて海外からの受信、インマルサットからの受信も実績がございます。
・G3FAX機以外からもFAX受信可能
G3規格だけでなく、スーパーG3規格、G4規格などにも対応をしています。
下記にFAXの規格の詳細を記載させていただきます。
G3 :アナログ回線、通信速度は最大14.4kbps、解像度は200 dpi×200 dpi
スーパーG3:アナログ回線、通信速度は最33.6kbps、解像度は200 dpi×200 dpi
G4 :ISDN回線、通信速度は最大64kbps、解像度は400 dpi × 400 dpi
※G4規格に関しましては、2024年1月にISDN回線がサービス終了致しますので、G4規格のFAXは利用できなくなります。
・FAX送信者側はトランザクトとの契約は必要ありません
トランザクトのFAX受信サービスは、不特定多数のFAXを受信可能としております。特にFAX送信者側での契約手続きなどは必要ございません。送信者側ではシンプルにトランザクトから提供する03から始まるFAX受信番号に送信するだけです。
よくある問合せ
「TransAct ファックス受信サービス(ワイドスターⅡ対応)」につきまして、よくある問合せをご紹介致します。
・FAX送受信できない
ワイドスターⅡのサービスに関しまして、トランザクトでは受信のみのサービス提供をしております。送信はドコモ様の管轄になりますので、ドコモワイドスターコールセンターの窓口(0120-616-360)にお問合せいただければと思います。
FAX受信ができない場合はトランザクト宛にお問合せお願い致します。
例えば、船舶側からFAX送信は可能だが、船舶側でFAXを受信できない場合はトランザクトに問合せいただければと思います。
また、送信も受信も状況を知りたい際は、受信の状況は確認できますので、お気軽にトランザクト宛(03-3442-7859)に問合せいただければと思います。
・ひかり電話に対応できますか?
上述の「FAXサービスの特徴_トランザクトワイドスターⅡ対応」でも記載しておりますが、トランザクトのFAX受信サービスでは「ひかり電話」、「IP電話」利用のお客様に対しても多くの実績がございます。
・同じFAXが出続ける
この現象はドコモ様側の端末などの原因の場合が多いです。
ワイドスターⅡの端末やFAXアダプタの再起動などをすると改善したという声をよく聞きます。
詳しくはドコモワイドスターコールセンターの窓口(0120-616-360)にお問合せいただければと思います。
まとめ
今回はトランザクトのFAXサービスの中でも「ワイドスターⅡ」というサービスにつきまして、ご紹介させていただきました。普段はあまり馴染みのないかもしれない衛星電話、ワイドスターⅡにつきまして、少しでも興味を持っていただければ幸いです。
トランザクトのワイドスターⅡのページはこちらになります。
そして「TransAct ファックス受信サービス(ワイドスターⅡ対応)」の元となっています
トランザクトのFAXサービスは、受信サービスだけでなく送信サービスもございます。
FAXサービスに関しまして、ご相談、ご興味などございましたら、FAXサービス専門の担当者がお客様に最適なご提案をさせていただきます。
トランザクトは基幹系業務クラウドFAXサービスの専門企業として25年の実績があります。FAXサービスご検討の際は、ぜひ下記の資料をご一読していただければ幸いです。