FAXサービスの導入・構築に関わるおはなし(プロトコル編)

クラウドFAX

皆さんこんにちは。

今回はFAXサービスの導入を決めて、いざ自社システムに組み込もう!という時に見ていただきたいお話となります。

インターネットFAXサービスの使い方に関して分かりやすく書いてあるブログ『FAXサービスの使い方とは?』とぜひあわせて見てください。

クラウドFAX送信サービスの特長
TransFaxは、企業の基幹業務に特化したクラウド型のインターネットFAXサービスです。導入コスト・運用コストを抑え、さらに運用が手離れすることにより見えないコストも軽減されます。帳票ソフトや基幹システムと連携させることで、⼤量の帳票データを効率よくFAX送信することが可能です。

FAXサービスへのデータの渡し方

FAX送信データをインターネットを使ってFAXサービス会社に渡す。またFAX受信データもインターネットを使って受け取る。これらのインターネットでのデータ授受部分で使われるプロトコルで、トランザクトは「SMTP」「FTP」「SOAP」(現在はSOAPは送信サービスのみ)が使えます。(おそらく他社サービスも似たり寄ったりです。)

各プロトコルそれぞれ特徴があり、それを踏まえた上で、どのプロトコルを採用すべきか決めたいものです。もちろんお客様側のシステム資産で活用できるものを選ぶというのも導入コストを抑える点でよいかと思います。

それでは各プロトコルについて見ていきましょう。

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)

いわゆるメールです。実装のし易さと、トランザクトのFAXサービスでは一番古くからサポートしていることもあり、利用数は一番多いです。FAXサービス同様に最近のクラウドサービスの流行りの傾向で、メールサーバーを自社管理からAWSに移したり、マイクロソフト社やグーグル社のメールサービスを利用する会社が年々増えています。

メールを作成する部分(メールクライアントに相当する部分)は基幹システムや、帳票システムが担い、自動化されるケースが大半です。

SMTPを使う場合、まず送信では、メールを作成してメールサーバー(メールサービス)へ渡すところまでがトレース範囲になる点が特徴となります。注意する点としては、メールクライアントはFAXサービス側へ届いたかどうかは通常トレースしないです。またメール受信もメールクライアント側ではお客様メールサーバーでFAXサービスからのメールがうまく受信できなかった場合など気づき難い点も注意です。

SMTPを使う場合は、起点から終点まで(メール送信指示を出したところから、FAX送信結果メールの受信が手元にくるまで)のジョブ監視が重要になります。実際にFAXサービス側とデータのやり取りをする部分のリアルタイムのトレースが難しいですが、メールサーバー自体うまくできており、宛先側のメールサーバーとうまくやり取りし、エラー時のリトライなどエラーハンドリングをある程度勝手にやってくれるので管理が楽なメリットもありますね。

※メールで大量の送受信が想定される場合、且つSPAMブロックサービスをご利用の場合は、SPAMブロックサービスに対してFAXサービス関連のメールをホワイトリスト登録する等の対応をお願いします。

FTP(File Transfer Protocol)

いわゆるファイル転送です。前述のSMTPではトレースが難しい宛先側とのデータのやり取りが直接できるので、その点を確実に管理したいお客様に好まれます。

トランザクトのサービスでは基本的にお客様がクライアントで、FAXサービス側がサーバーとなります。自社でFTPサーバーを立てる必要はありません。FAXサービス側のFTPサーバーへ接続して、「FAX送信データを送る」「FAX受信データを受け取る」ことができます。お客様側でFTP接続の細かい制御ができてしまうため、トランザクトのFTPサーバー側では、使用できるコマンドを制限したり、同時接続数や接続間隔の指定などを設けています。

FTPを使う場合は、エラーハンドリングが重要となり、FTPサーバー側の仕様を考慮したうえで、エラー監視や、ある程度のエラーケースを想定したリカバリフローを用意しておく必要があります。

またFTPはさまざまなクライアントソフトウェアがあり、制御できる範囲、特徴が異なりますので、FAXサービス側での利用実績の多いもので選ぶのも手ですね。

SOAP(Simple Object Access Protocol)

いわゆる、と端的な表現が分からないですが、通信はHTTPS、中身がXMLのWebサービスと言われるものです。SMTP、FTPより新しいものとなり、FAX業務以外でもWeb連携をしているお客様に好まれています。

SOAPを使う場合のエラーハンドリングの考え方はFTPとほぼ同じとなります。SOAPで留意したい点としては、ここ最近のトレンドである業務システムのクラウド連携でWebサービスが多く使われているため、お客様側のWebトラフィックが急激に高まっている点です。お客様側Webサーバー、中継するプロキシーサーバーやインターネット帯域等、十分考慮する必要があります。昔は「SMTPは業務メールへの影響を考慮しサーバーの負荷に注意!」と言っていたのですが、サーバーの高性能化で過去の話になってしまいました。(メール自体の利用頻度もチャットや、Web会議などで減ってきている印象です。)

FTPもSOAPも接続先のトランザクト側のサーバーとやり取りをするのでデータ授受の状況は基本的にトレースできるのですが、データ送信の時に、送信し終わったあとの、いわゆる「Ack」が受け取れなかった場合、送信データが正常に渡ったかどうかの確証が持てないため、SMTPと同じく起点と終点の監視もやはり重要となります。

クラウドFAX送信サービスの送信方法
お客様のご利用環境や用途にあわせてクラウドFAX送信環境を構築できるよう、接続方式としてメール/SOAP/FTPの3つのインターフェイスをご用意しています。

通信がおかしい?という時

以上「SMTP」「FTP」「SOAP」の特徴に基づきFAXサービス導入時に注意するポイントを述べましが、いずれもインターネットを使う共通点ががあります。インターネット通信が不安定になればサービスへの接続も不安定になってしまうため、通信がおかしい?と気づいた時に自社インフラ側、FAXサービス側を疑うのに加えて、中間にあるインターネットがどうなっているか?も重要です。お客様が契約しているインターネットサービスプロバイダーは大丈夫かどうかの確認も必要です。この場合はお客様側のサーバーからFAXサービスに対してトレースルートを取ってみることで問題個所の早期特定ができることがあります。問題発生時はトランザクトも原因箇所関係なく最大限お客様のサポートをさせていただきます。

トランザクトのFAXサービスをご検討いただくお客様の多くはクリティカルな業務で使用いただくことが多いので、前述したエラーハンドリングや監視ポイントに加えて、問題切り分け方法の段取りもサービス導入時にぜひ合わせて準備ください。備えあれば憂いなしです!

この記事じ興味を持たれた方はすでに不要かと思いますが、サービス紹介資料が必要な方は下記からダウンロード願います。