法人向けクラウドFAXサービス『TransFax』は、25年間で導入実績2,000社以上

クラウドFAX導入事例 株式会社ピーチ・ジョン 様

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東日本大震災を教訓にFAX受注をクラウドサービス化
運用・保守をはじめとした手間とコストを削減しつつBCP(事業継続計画)の見直しに成功したピーチ・ジョン

BEFORE
  • 仙台の自社受注センターにてFAX機器を複数台設置
  • BCP対策の為にFAXインフラを自社構築するには大きな手間とコストがかかる
  • 災害時、計画停電時にはFAX受注業務が停止する恐れ
AFTER
  • FAX受信環境をクラウドサービス化、FAX受注書は電子データでセキュアに受信
  • 堅牢なFAXネットワークをバックボーンとしたクラウドFAX受信サービスでBCPに対応
  • 災害時、計画停電時もFAXの受付は継続し、ロケーションフリーなFAX受信業務の運用基盤を確立

商品の注文、まだまだFAXやはがきを利用

ピーチ・ジョンでは、下着を中心とした婦人服の通信販売を行なっている。注文の窓口としてはインターネット、電話、ハガキ、FAXが用意されている。
PC、スマホ、携帯電話などWeb画面で商品を検索してオンラインで注文するユーザーは増加傾向にあるが、まだまだFAXやハガキを利用するユーザーもおり、無くすことができない重要な手段であると株式会社ピーチ・ジョン情報システム課課長の安住祐一氏は語る。
「季節毎にカタログを発刊しており、そちらに綴じ込まれたFAX注文用紙やハガキでご注文いただくお客様は常に一定数いらっしゃいます。カタログを見ながら注文用紙に手軽に書き込むことに以前より慣れているお客様は、FAXやハガキでのご注文手段をご利用いただいているのだと思います。」

東日本大震災で自社施設が被災 FAX受注の課題が見えた

FAX受注の仕組みに課題が見えたのは、2011年3月に発生した東日本大震災がきっかけだった。仙台市に置かれた受注センターが被災し、FAX受信用の機器が壊れてしまったのだ。ピーチ・ジョンでは従来通りのFAX機器を再度購入するか外部の何らかのサービスに切り替えるか検討を行った。そこでピーチ・ジョンが選択したのはクラウド型のFAXソリューション、それもサーバ・通信機器類の運用管理を外部パートナーに委任するアウトソーシングサービスだった。選択の理由については次のように説明してくれた。
「震災後も長い期間、仙台市では余震が続き、電力供給も2週間ほど途絶えていました。震災直後にはFAXの未着が相当数あったと思いますが、それがどの程度かも把握できないという状況です。まずは、確実に注文書FAXを受信できる仕組づくりを優先すべきだと考えました。そのためには、自社でFAX機器を持つこと自体のリスクも避けられるクラウド型のFAXソリューションが最適と考えたのです」(安住氏)。

クラウドでFAX受注業務環境のBCP対応が実現可能に

クラウドでFAX受付業務がカバーできるのであれば、受注センターが業務を継続できない状況が発生しても、顧客からの注文書データ自体は別の場所で確実に受け取れる。またバックアップ対策が構築されているサービスを選べば、自社でFAXサーバ等を導入し、且つ冗長化を考慮して構築・運用するより圧倒的に低コストで、FAX受注業務環境のBCP対応が実現できる。コストを抑えつつ、事業継続性を高められることが大きな魅力だった。

IDCの冗長化やバックアップ対策を擁し、尚且つ業務向けに特化したサービス会社の検討を開始

サービス選定に当たっては、複数のインターネットFAXサービス業者を比較し、検討を行なった。一番の選定基準となったのは、24時間FAXを確実に受信できることだ。実際にサービスを比較してみると、IDCの冗長化やバックアップ対策を擁し、業務向けに特化したサービスを提供しているサービス業者はほとんどなかったと安住氏は言う。
「外部サービスを選択する理由として災害時でも安心できるサービスを期待したのですが、実際に納得できるようなデータセンターやネットワークの運営をされている業者はほとんどありませんでした。その中で見つけたのが、トランザクト社のFAXサービスです。様々な比較検討の観点・基準においても、私たちの求める要件をほぼ満たしていました」

トランザクトは、既存環境からクラウドサービスへダウンタイムなしの移行が可能

FAXを通信販売の受注手段として使うために必要な基本機能と、BCPに対応する仕組みが、TransActのクラウドFAX受信サービスにはほとんど備わっていた。特に、これまで使ってきた着信課金電話番号(0120番号)をそのまま新サービスでも引き継ぐことができ、既存環境からクラウドサービスへダウンタイム無しで移行ができること、近年増加しているIP電話等からも同じ仕組みで受信可能なこと、というポイントは重要であった。さらに、カタログ発刊後に発生するFAXの注文ピーク期間においても受信漏れがない同時着信可能な回線数の多さも、通信販売業のビジネスユースに非常に適していた。株式会社ピーチ・ジョン情報システム課の湯田知之氏は次のように説明してくれた。
「こうした基本的な性能に加えて、トランザクト社のFAXネットワークと弊社システム間の注文書データ受け渡しの面でも相性の良さも感じました。受信した注文書FAXを汎用的なPDF形式にイメージ化して受け取れるうえに、受信したFAXの管理自体が非常にシンプルで、業務要件に合わせて弊社の仕組みにカスタマイズしやすいのです」

システム・業務面でも高い親和性・柔軟性を発揮

また受信後のシステム・業務面についても親和性・柔軟性が高かった。
「TransActのクラウドFAX受信サービスでは受信したFAXをインターネット上でもセキュアに受信可能なほか、自社ファイルサーバにPDFデータをバッチ処理で自動転送すれば電子保存ニーズとしても有効である。既存のFAXを自社の基幹システムに取込む運用を大きく変えることなく導入ができた」(湯田氏)

セキュリティに万全を期して、運用開始へ

東日本大震災直後の混乱も収まらない2011年5月に検討を開始し、2012年7月にTransActのクラウドFAX受信サービスは導入された。サービス選定から導入までに時間がかかったのは、ネットワーク機器リプレースのタイミングに合わせた為だった。取り扱う商品の中心となるのは女性下着であり、注文書の内容は外部に漏らすことのできない個人情報となる。セキュリティに配慮し、トランザクトとピーチ・ジョンのシステム間のファイルのやりとりにはセキュリティを設けてある。その対応のために一部ネットワーク機器を変更する必要があり、リプレースのタイミングを待ったという訳だ。導入準備・事前検証に関してはトランザクトの営業担当者からも根気良くサポートして頂いたことは大きかったと湯田氏は振り返る。
「FAXのデータをセキュアに受け取るための手法や設定、実現にむけたボトルネックの洗い出しなど、トランザクトさんには導入前から技術面で支援してもらいました。解決に向けた課題の切り分けに粘り強くつきあってくださったことで解決策も見つかり、導入にこぎ着けることができました」

更にペーパーレス化を進め、環境負荷軽減やコスト削減を図る

現在、受信したFAXは自動的にシステムからプリントされ、従来のFAXと同様に受注処理が行なわれている。これは、システムの変更が現場の処理に影響しないように配慮した結果だ。今後は第2ステップとして、プリントせずに処理することでペーパーレス化も視野に入れた運用を検討したいと安住氏は語る。「紙のカタログを見ながら注文書を書けるというFAXならではの良さはお客様視点で残しつつ、受注センター側ではペーパーレス化を進めて環境負荷軽減やコスト削減を図っていければと考えています」

あらゆる障害に対して、場所を問わず柔軟に対応できる業務体制の構築を目指す

自然災害を含めたあらゆる障害に対して、場所を問わず柔軟に対応できる業務体制を構築するため、ピーチ・ジョンでは基幹システムを含めた各システムのロケーションフリー化について、各種インフラの検討の前提としているという。FAXという従来メディアをうまく電子化して活用し、顧客の利便性を維持しながら自社の業務体制を革新していくピーチ・ジョンの歩みは、これからも止まることはなさそうだ。